わすれもの

日常系オリジナル小説です

続・原因について

「うーん、例の『原因について』、考えてみただけどやっぱりちょっと違う気がする」

 

「へえ」

 

「たしかに、人間性がそうなる原因を親のせいにすることは誤りだとおもうよ。

 

でも、だからといって原因は自分にあるって言うのは違うと思う」

 

「そう?」

 

「あの話には飛躍があると思ったんだよね」

 

「飛躍?」

 

「そう。『きっとすべての原因はビッグバンまでさかのぼれる』と、『人間性が<そう>なってしまった原因は(中略)改善の努力をしなかったから』との間にね」

 

「ばれたか」

 

「原因が途方もないところまでさかのぼれることには同意するけれど、そこから先はちょっと違う考え方があると私は思う」

 

「聞かせてもらおうか」

 

「私は原因を全部、<間が悪かった>ことにするかな」

 

「<間が悪かった>・・・」

 

「あなたの人間性がそんななのも、私がこんななのも、きっと全部何かの<間が悪かった>から」

 

「なるほどね。でも、それだと努力する動機がなくなる」

 

「必要かな? 努力なんて・・・」

 

「必要だろ。 必要なはず・・・」

 

「どうして? それはまわりがそれを善しとするからでしかなくない?」

 

「ああ、そうか・・・、確かに、自分の本心では努力なんてクソ食らえだった」

 

「だよね。努力なんて、したい人が勝手にすればいい」

 

「ただ<間が悪かった>だけの私たちは、したいようにするだけ」

 

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こうかな~となった