わすれもの

日常系オリジナル小説です

#3 人類が人類であるために必要不可欠な種族的自滅手段

「『考えない葦』が『考える葦』である状態を維持する方法を見つけた。 

『ピストルと弾丸』『致死量の向精神薬』『包丁』あるいは『ビルの屋上』。 

そういう、命を失おうと思い、決心すればすぐさま実行できる手段、それを手元に保持しておくこと。 

それが人間である方法に他ならない。 

これを、よりマクロに実行し、私は人を人類にする。 

 


20年後、米国の、30発の核ミサイルを搭載した人工衛星の制御を私は掌握し、全人類にこう名乗る。

 


私は『人類が人類であるために必要不可欠な種族的自滅手段』である」と。 

この20年の間を埋める形で私の凄絶な人生の物語を執筆して。 」

 


えー。

手に余るな~。

 

だいたい、「命を失おうと思い、決心すればすぐさま実行できる手段、それを手元に保持しておくこと」で、人間が思考力を保てるっていう理屈がよくわかんないし、

そこは一歩譲るとしてもそれを人類全体に対して行うことにはたして意

 

私はコンソールを強制終了した。

その程度の理屈の飛躍、勝手にいいかんじに考えてくれたっていいじゃんか。