第十話 空虚な日々
登校初日。
通学に利用するバスを目の前にして
ユウとリンの散らばった四肢を思い出した。
私は嘔吐し、倒れた。
登校二日目。
代替手段として乗った電車の中。
左隣にはユウが、右隣にはリンがいる気がした。
私は嘔吐し、倒れた。
登校三日目。
私は部屋から出なかった。
手段はある。
自転車に乗れば無理ではない距離だ。
しかし私はそうしなかった。
そうまでして学校に行ったところで、
また何かの拍子にパニックになってしまうのが怖かったから。
次第に、人前でパニックになることに対する恐怖が強くなっていった。
私は部屋に籠るようになった。
西風ミウは、そんな空虚な日々から私を救ってくれた。